クルマときどき山歩き ~福島初級編①~
ちょっと不便なくらいが旅をさらに面白くしてくれる
鉄道やバスの時刻表を気にすることもなく、好きな場所へ行けるのが自由気ままなクルマ旅の特権。でも、ただ通り過ぎるだけでは、その土地の本当の魅力は分からない。
そんなときにお勧めなのがドライブ&トレッキング。クルマを駐車場に置いて、ちょっと歩くだけで、感動の風景と出会える。
吾妻小富士&一切経山
直径500mの火口ビッグマウスをぐるりとめぐる空中散歩
吾妻小富士山麓から見上げると、まるで小さな富士山のような姿をしていることから、この名で親しまれている吾妻小富士。福島市西部の高湯温泉と土湯峠を結ぶ磐梯吾妻スカイラインの、ほぼ中間に位置する浄土平に登山口がある。レストハウス駐車場にクルマを停めると道路の向こうに登山道が伸び、これをひたすら登ると火口の縁(火口壁)に着く。ぽかりと落ち込んだきれいなすり鉢状の火口は直径約500mの大きさ。登った場所のちょうど反対側に見えるゆるやかなピークが最高地点(山頂)だ。なだらかなアップダウンが続くお鉢巡り(周遊路)を時計回りに進んでいくと、やがて福島盆地や中通りを一望にする雄大な景色が広がる。ただ、荒天時は身体ごと飛ばされそうな強風が吹きあげることもあるので注意してほしい。火口壁の道は場所ごとに風景が変わり、まるで空中散歩の気分。お鉢巡りを楽しんで浄土平へ下る際は、山々を縫うように走るスカイラインや浄土平周辺の湿原が一望できる。山肌から噴気を上げる一切経山の荒々しい姿も圧巻だ。
浄土平は一切経山に向かう登山口の起点なので、歩き足りなければ登ってみてもいいだろう。途中には吾妻小富士が一望できるビューポイントもあり、火口の大きさが再確認できる。浄土平から1時間半ほどで山頂まで行けるが、稜線歩きもある本格的な登山道なので、それなりの装備をしておこう。
TREKKING DATA
レベル/初心者向き
歩行時間/1時間10分
距離/約1km
COURSE TIME
浄土平レストハウス
↓ 20分
火口壁
↓ 1時間弱(お鉢巡り・1周)
↓ 20分
浄土平レストハウス
スポット紹介
手打ちそば処おおほり
そばはもちろん天ぷらも絶品 古い民家を使用した人気の店
土湯峠から猪苗代湖畔へと下っていく国道115号沿いにある人気のそば店。
自家栽培、自家製粉のそば粉を100%使用し、挽きたて、打ちたてにこだわった手打ちそばが自慢。天ぷらは、揚げ油まで菜種を自ら栽培して搾った完全自家製。古い民家を使用した店内は落ち着いた雰囲気。磐梯に来たらぜひ味わいたいお店。
【DATA】
11:00 ~ 17:00 /木曜定休(祝日は営業)/猪苗代町若宮家東乙624 /TEL.0242-67-1566
浄土平レストハウス
吾妻小富士と一切経山の登り口にあるレストハウス
磐梯吾妻スカイラインのほぼ中間点、吾妻小富士と一切経山の登山口にある大規模レストハウス。塩ソフトクリームなどのスイーツや軽食のほか、八重の桜御膳(1500円、土日・祝日20食限定)など、豊富なお食事メニューを取り揃えている。
【DATA】
9:00 ~ 16:30 /無休(11月中旬~ 4月上旬は冬季閉鎖)/福島市土湯温泉町字鷲倉山地内/TEL.0242-64-2100
中津川渓谷レストハウス
秋には見事な紅葉が楽しめるレークラインの人気スポット
秋元湖、桧原湖、小野川湖を結ぶ磐梯吾妻レークライン沿いにある。レストランでは会津地鶏そぼろ丼などが人気メニュー。中津川渓谷は県内有数の紅葉スポットで、レストハウスからは遊歩道もあるので、ちょっとした散策も楽しめる。
【DATA】
8:30 ~ 16:30 /無休(11月中旬~ 4月中旬休業)/猪苗代町若宮吾妻山2998-47 /TEL.0242-64-2817
裏磐梯ビジターセンター
光線の具合で刻々と色を変える美しい湖沼群を散策
国道459号沿い、五色沼の毘沙門沼にある五色沼探勝路入り口近くにある案内所。ここは裏磐梯に豊富にある遊歩道・ハイキングコース巡りのベースにもなっており、その情報提供をしてくれる。季節ごとに自然観察会などのイベントも開催。
【DATA】
入館無料/ 9:00 ~ 17:00(冬季は16:00まで)/火曜休館(夏休み期間などは無休)/北塩原村桧原剣ケ峯1093-697 /TEL.0241-32-2850