• 掲載日:2020.06.05
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ミニ四駆ワイヤーフレームの第一人者 Modeler葵惠氏のスケルトン作品



作者はミニ四駆コンデレーサーならずとも、誰もが認める“肉抜きの達人”である。

しかもただの肉抜きとは違い、機能美すら感じる作品を作りあげる。

すべてがインスピレーションによるものというから恐れ入るが、製作する際には、作業の「難しさ」は考慮するとのこと。

曲線を多用したボディでは、肉抜きをするほど強度面への不安が増えてしまうため、カットが

困難になるからだ。フルカウルミニ四駆のようなフラットなボディは比較的容易だが、レーサーミニ四駆のような曲面を多用し、面積が少ないボディは不向きとのことだ。

 

思いつきだけでボディの肉抜き作業を始めることはなく、作業前に入念な準備をする必要がある。

作業対象によっては事前にパーツを接着し、その後に肉抜き作業を行うこともある。

 

カットは表側から行うが、ボディの裏面に凹凸などがある場合はカッターの刃が引っかかり、作業に支障が出るため、事前にカットしておく必要があるとのこと。

 

製作期間は、イメージするのに1週間程度。その後、作業に費やす期間もほぼ1週間という。短期間で完成するように思えるが、そこは作者が培ってきた経験とノウハウによるもの。それでも、曲面を多用するボディだと完成までに1カ月以上もかかってしまう場合もあるようだ。

ボディのデザインは、まず輪郭を確認し、対角で線を結んで三角形となるようにカットイメージを作りあげていく。イメージ中に“ひらめき”でデザインを変更したり、星のようなデザインを盛り込むこともあるそうだ。

強度は考えずにカットを進めていくとのことなので、作業の進捗次第では最初のカットイメージから変わっていくこともしばしば。これも作者の勘と経験によるものであろう。“対”になる作品を製作することもあり、白/黒など、色を反転させたイメージでもう一台を作り、並べて展示するなどの遊びゴコロも持ち合わせている。

ボディはマット系で塗装することが多く、基本は缶スプレーでの塗装になるが、ポイント部分は筆で塗装する。

新しいカットや曲面の対応など、常に技術力の向上に励んでおり、まだまだデザインは進化中だ。



気が遠くなるほどの肉抜きはすべて手作業!

MODEL NAME 限界特急便あびゃんてスケルトン(BASE MODEL アバンテJr.)

 

 

葵惠氏の最新作“あびゃんて”は、極限までカットにこだわった作品。ボディだけでなく、シャーシやローラー、電池押さえにいたるまで、すべてのプラスチックパーツをカットし極限まで突き詰めている。

クリアのキャノピーのカットは一度接着したのちカットするという、徹底したこだわりぶり。

カットはトラス(三角形)形状を基本のイメージとして進めていくが、曲線で構成されるボディは肉抜き作業をする上で非常に高度なテクニックが必要。ここまでの仕上げぶりは、もはや神業といってもいいだろう。

 

なお、この作品には走行に必要なパーツ関連も全て装着されている。強度面が不安なので走行させたことはないとのことだが、実際に走ることも可能な作品であるとは、まったくもって驚くばかりだ。

 

極限までカットされたアバンテJr.。華奢に見えるが、最低限の強度は保たれている。注目はやはり全体のカットで、各パーツの色使いもバランスを考え、細部までこだわる。

 



芸術的な美しいワイヤーフレームに注目

MODEL NAME ヴァイス・エフェクト・フリューゲル/ヴァイス・モーメント・スコルピオン

BASE MODEL Zウイングマグナム/シャイニングスコーピオン

 

この作品は赤&青で兄弟車として作成。繊細かつ大胆なカットを施した後、着色したメッシュをボディ裏から張り付けている。メッシュは通常張り込むと浮きなどが目立つが、事前にメッシュを接合面に折ることで浮き防止を行うなど、職人技が光る。

またメインに使用する金属パーツは着色せず、そのままの色を使用する。

 

外観では前後バンパーへの装飾、ホイールスタビにも同様に装飾を施した。スコルピオンはキャノピー上のウイング部分をカットしてメッシュを張り込むなど、強度に不安のあるデリケートな部分さえも妥協していない。

金属パーツを多用したことで、見た目以上に重量にも気を配っている意外性の高い作品である。このあたりも作者である葵惠氏の思惑どおりといったところ。



ミニ四駆GRAPHICS

ミニ四駆で楽しむクールなライフスタイル

 

80年代から現在に至るまで、多くのファンに愛されているタミヤの大ヒットモデル「ミニ四駆」。

全国各地の塗装コンクール大会(コンクールデレガンス)で活躍するユーザーたちの芸術作品をメインに、かっこいいマシンの作り方、さらにはコミュニケーションツールとしての遊び方など、“成熟したホビーカルチャー”という視線でミニ四駆と向き合い、ライフスタイルの貴重なパートナーとして取り入れる、身近な楽しみ方を紹介。

「タミヤのミニ四駆」の新たな魅力を、多くのホビーファンにたっぷりと伝える一冊。

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