男の秘密基地 好きなモノに囲まれて
ここに紹介する趣味人中島 進さんが骨董趣味にハマったのは30年ほど前のこと。
ディープなコレクター様です。
初めは1950年代から'60年代のスクーターをレストアして楽しんでいたが、
そのうちホーロー看板や発動機にも興味を引かれるようになったそうです。
30年間で集めた古物は分散して保管してきましたが、2019年、思い切ってその一部を一カ所にまとめたのです。
まさに、男の秘密基地を大公開します!
なぜ旧車系マニアはホーロー看板が好きなのか、かねてから疑問だったのですが、
中島さんと話してなんとなくわかりました。
バイクのツーリングなどで田舎道を走っていますと古びた木造の商店に貼ってあったりするのです。
それが何年経っても貼ってあるので郷愁を感じるのだそうです。
ことにバイク、クルマ好きは「由美かおる」や「水原 弘」とツーリングの記憶がセットになっているから、
ホーロー看板は心なごむ存在なのでしょうね。
自動二輪の免許を
17歳で取ると、CB750フォアやメグロK-2、カワサキW1などの大型車ばかりを乗り継いだそうです。
その傍らで1940~'60年代の古いスクーターにも興味を持つようになり、
ベース車、部品を集めてはレストアにハマる。
部品は近畿各地の専門店などを訪ねて手に入れたとのことです。
コレクションのフィールドを拡げたのは'88年。
勤務先の工場で左足に大ケガを負ってしまい、大型バイクが遠のいた。
それからスクーターのレストアとホーロー看板の収集がメインに。
発動機の収集はそのあとからとおっしゃられました。
進和内燃機工業所(岡山)のクスド石油発動機、戸畑鋳物(福岡)のトバタ陸用発動機、定番のクボタなどが並びます。
ひとつひとつが手入れされ磨き込まれています。
その周囲の壁にも「見ていてなごむモノ」がジャンルを問わず飾ってあります。
フシタ(伏田鉄工所・大阪)の10馬力発動機と中島さん、愛犬の小太郎。
フシタは約1万8000㏄の単気筒で自重3.5t。製材所で使われていたといいます。
実動品で2年前、木炭ガスで動かしたことがあるそうです。
愛車も当時モノ
中島さんの愛車、ダットサン・ブルーバード('65年式P411型) は貴重な2ドアセダンです。
コーナーポールにハヤシストリートが意外に似合っていますが、ポイントはこれだけではない・・。
4気筒OHV1299㏄のJ型エンジンは今も絶好調で、この日もすぐ始動しました。
内装もキレイ。リヤまわりを見ると貴重な当時物アクセサリーのオンパレード。
マフラーカッター、コーナーポール、東京オリンピックのバッジにアースベルト(阪神タイガースバージョン)、、
ホーロー看板
定番の「金鳥」、「アース」、「ボンカレー」のほかローカル企業ものなどいろいろ集めていらっしゃる。
現在、コレクションの数は70点ほど。自宅の壁にもオロナインの看板。
浪速千栄子が優しく微笑み出迎えてくれております。
中島さんが若い頃に集めたバイク、発動機、ホーロー看板を今の若い人たちが収集するのは難しいです。
数が少ないうえ、値段が上がってしまっているからです。
しかし垣内さんの趣味生活を見ると、あえてそうした王道を外すことで、
お金をかけずにレトロなモノで遊ぶという工夫がありました。
世代によって郷愁を感じるモノが違うはずだから、わざわざ高価な定番を狙うのではなく、
自分なりのレトロなモノや雰囲気を追求する姿勢が潔い。
それはかつて中島さんが、ひとりコツコツと行ってた趣味世界の開拓と似ています。
趣味人もまた、先輩の背中を見て育つのでしょう。